蛮族の生活

蛮族です、未来を喰らいつくします

散る会うと(早川 葵)

猫が鳴く猫が愛する猫が産むそうして世界は今日も膨らむ


今日もほら、ミントを撒いてく今日もほら、世界を滅ぼしたいからね


大体は爆薬で済む大体は。確定申告以外のことは


悲しみがたとえば5月のねこちゃんの遊具に降り注ぐ雨ならば


アネモネをいつものように受け取っていつものように開ける<さよなら>


辞めようか、この辺でもう切り替えて。後は野薔薇を愛でていようか


ラーメンをすする間は人間に戻る狼人間だった。


生き生きとするよなお前はこうやって電球を割る作業の間は


何もかもうまくいかねえ滅茶苦茶にでかいユンボで街を進んだ。

 

眠りから覚めないままに7月の貴女は覆われてくカゴタケに

 

チェシャ猫の笑顔の部分を切り取って無限にコピーペーストしてる

 

酩酊の最中モナカを頬張って幸せになるあいつが憎い。

 

iPhoneできゅうりのたたきをつくってる核戦争後東京都2区

 

息を吸う。そして吐く間に降ってくる夜空の星を拾っては売る。

 

結局は言えなかったな冷麺にココアを混ぜたあの夏の事

 

嗚呼多分これは恋だなだってほら池の魚が皆跳ね回る

 

「本当に愛してるならカルピスを薄めて出したりはしないよね?」

 

それはもう悲惨だったなイルカ等にボールのように放られて彼

 

悲しみは例えば夜のコンビニで買えないことだ箱のビスコ

 

てにをはのはが家出して町中のタイプライター屋が大騒ぎ

 

挨拶をしてる間にそうめんが膨らんでいく夏の終わりに

 

丁寧にシールを剥がす/丁寧に爪を剥がしている拷問官


夕闇にオキアミが湧く夕闇に世界の色が朱に染まってく


最後にはみんな鯨になっちまう僕もあなたもクリストファーも


マジで暇だから今すぐ来いよってそいつは無理だ、今火星だし


鉄を打つ音だけ響く真夜中のサイゼリヤにて別れ話を


「ここからはどうしたらいい?」ここからは薬を飲んで寝ちまえばいい


伝えたい言葉を埋めて核が降る後にも掘り出せるようにする


チャイニーズガールは今日も訪ねれば明朗会計にて触れ合える

 

たましいのやらかいところ木の匙で掬って食べる明け方の君


楽しみは違法サイトで四つ葉から三つ葉にされる動画を見ること


退屈は時々鮫を持ってきてそいつは炒飯作りが上手い


泣いているバニーガールにかけてやる毛布の色は朱の色だった


包装にくるまれているチョコレイトはがす時だけ彼女は静か


「見てみたい?世界の終わり?」じゃあここで起こしてあげる掴まっててね


「殺せ!」って声が聞こえる大体の革命なんてそういうもんだ


オットセイみたいに薬を飲んでいく彼女を眺めている夕暮れに


「寝起きにさ蟲になったらどうしたい?」「ヒトになるよりたぶんましだね」


オルガンのドの部分だけ破壊して回るギャングの一斉検挙

 

「どうしてもここにいるのね」そうなんだ。世界にパスタが満ちたとしても

 

違うんですやっていませんこんなこと古本に線、引くなんてこと


冷静に話そう朝になる前に、どっちのカフカをホントにするか


第50解放区にもやってくる猫の大群(またたび投げる)


「革命はうまくいかない革命は革命したらそこで終わるし」

 

おいでほら、隠れてないでムジナたち、一緒に終わらせに行こう茶番を

 

最低で最高だから君だけが助かるように爆破していく


朝焼けに照らされている猫たちの革命の後、の祭りを


「どうやってこうなったのさ!」眠いからボタンを押しただけだったんだ


雪が降る雪が包んでいく雪が僕と貴女のすべての事を


愛してる、お決まりだからそう告げる。あと三秒で巻き戻る春。