蛮族の生活

蛮族です、未来を喰らいつくします

怠惰

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【生活】

湯船の中に夏野菜と親指が浮いている

汚い生き物を食べ続けてきたのか我々

誕生が爆破であるというなら飛散距離は割り出せない

シャーマンたちが作ったポトフの中に俺の霊魂が浸してあるかもしれぬ

疫病が蔓延していることでしか生まれない詩が残念ながらある

夜行列車には濃密な土の匂いが充満していて、ジャガイモの気持ちになれる

以上は、意味の連結を無視したただの言葉の羅列である。

ここに詩はあるか。

德丸 魁人(2021/06/24)

美しい呪い

「夏の空はピンク色をしていて好きなんです」この前の美容師の言葉が忘れられずに、夕焼けを見上げるようになった。

これから誰と肩を並べて歩いても、きっとどうしようもなく思い出す。いつも一番好きな映像・音声で再生されて、映画のフィルムのように焼き切れてしまうこともない。それは美しい呪いのように、僕を永遠に苦しめるだろう。

今日も空を見上げた。特別に綺麗な夕空だった。そして、光が街へ降りてきていた。ぴかぴかのビル、古びたラブホテル、知らない人の家、ダサいフォントの看板、まるで子供の描く夢の街のようにすべてがピンク色に塗り替えられ、別世界が広がっていた。僕は思わず立ち尽くし、その光景に見とれていた。だが、異様な現実が視界に入ってきた。

ピンク色の街の中を、黒い背広を着た人々が列をなし、骸のように歩いていく。ぼんやりと前を見つめて、あるいは握りしめたスマートフォンを見つめて。

 

空があんなにも綺麗なのに。まるで駅へ向かうことが宿命付けられているように、誰もが同じ方角へ歩いていく。

いったい、その先に何があるのだろうか。ただ、一切は過ぎていく。さらさらと落ちていく命、たくさんの呪いを振り返るばかりの生活、骨が少しずつ摩耗していく。カルシウムをとっても、幾万匹の牛を殺して美味しいところだけを焼いて食べても、俺は植物の死体を着ているよ。ぎゅるぎゅると脳みそが回転し、一番強い呪いを再生する。

 

「ぼくはいいものをつくらなければいきていてもしかたがない」

 

                           德丸 魁人(2021/6/23)f:id:vanzoku:20210624010655j:plain

宇宙ビッグデータ

降りしきる音と車輪の音、人間の話し声、僕の沈黙。あらゆるものが運動いて、それが永久機関のように感じるのが心地よい。地球が破裂した後でさえ、僕たちの残骸は漂うことで運動し続けていくだろう。

そこで、すべての曲が歌われなくなったとしても、発声も沈黙も存在するという点では同等だ。休符だけの永遠の楽譜が並べられているみたいに、無いことが存在し続ける。

そうして、頭は堕胎のことを考え始めて、水溜まりを踏み抜いた。

命が命になるのはどこからだろう。

聞いた話によると、僕たちは母親のお腹の中で人類の35億年の進化を繰り返すと言う。形が出来てくるとエラを持った魚の姿になり、両生類の姿になり、爬虫類になり、哺乳類、人間になっていく。

なんだか、どんないきものも命は平等なんですよーと母親に言われている気分になる。

美術館に足を運ぶと、油絵にならなかったスケッチ、建てられなかった建築の設計図、プロジェクトの企画書、たくさんのアーカイブを目にすることができる。人間の魂も、宇宙のどこかにアーカイブされているだろうか。

サマー不要論

 

微睡みをラムネサイダーで取っ払う君は映画を倍速で観る

 

夏風邪をガリガリ君で冷やしてる雫が垂れる、きみは要らない

 

激しめのジャズが攪拌するときに割りましたからもうさようなら

 

いつもいたところにあなたは(生きてない)紅茶はすべて腐っているのよ

 

名も知らぬ犬にくるぶし舐められる、乾いた残る、夏が嫌いだ

 

掬われた若葉のように壮絶に生まれ落ちたね朝焼けに息

 

 

(德丸 魁人 2021/6/17)

道草食って虫食って

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輪になった蟷螂たちが流されて最期はいっしょだ排水溝だ

 

絶対に溶けあわないものそれは俺の魂お前の魂、蛹

 

ひとりでは生息できない生体は直ちに脳を右手に植えろ

 

胡瓜から飛び立つときの踏切で生命たちが配膳される

 

鱗粉が撒かれた灰の首筋に《生まれる前は煙だったね》

 

いいだろう水槽ならばゲンゴロウ/鼓動をあげよう明日には返せ

 

紋白の斑点ぼくらは少しだけ だけどたぶん どこか死んでる

 

苦しいよ辛いよここにいられないグアム行きたい「土でも食ってろ」

 

俯けばミミズは笑う忠実なまでに生き生き生き生き、死ぬな

 

見ろ朝は羽化が輝く俺の目に命はすべて金色をする

 

詩:竜巻とケンタウロス

人間とは何か、すまーとほんが答えてくれる、世の中だったらいいのにな。
夜の風が、ぼくの祈りを飛翔させた。
でもそれはうっかり竜巻となって、結局のところ村は壊滅した。夏なのに。

それはとても大きな災害で、ぼくたちはひたすらに聖なる何かを希望していちばん神秘的な方角に叫んだが。

晴れた後の空には、何の反映もなかった。

 

神さまがツイッタラーだったら、ぼくらは救われる。ぼくらは救われる。

この猥雑な掲示板に、装飾された悲しみを横たえる、若者はもう死なないのだ。

 

しかし森に住むケンタウロスは言う。

「そんな、悲しみに電飾とキラキラしたモフモフを巻き付けて、人に抱きしめてもらわなければならない生き物は、なべて野垂れ死ぬのがよいのだ」

 

しかし今の時代、そんなことを言うケンタウロスは斬首刑に処される。

なぜなら人間たちは、山頂とか別によくね?

この辺で、ピクニックして帰ればよくね?党を選挙で勝たせてしまったからなのだ。

 

ケンタウロスの最後の演説

「人間よ、思い出せ。お前らが魂の強度で生涯を推し量っていたことを。自らを肯定してはならない。他人によって肯定されてはならない。ただ、在るのだ。
そうして信じて良いのは、お前の魂が高潔であるという、訳の分からぬことだけだ。
この世のありとあらゆる訳の分かることは実質的に意味は無い。
訳の分からぬことの可能性を信じることでしか、人間を超越できないのだ。」

 

ケンタウロスは斬首されたあと、人間の方法で葬られた。

民衆は「かわいそーだねー」「ねー」とツイッターに書き込み、バズった。

 

散文詩:脳内ラッパー=黒人=人種差別

日記みたいな散文詩を書きました。

深夜のパンチライン

「ヘイヘイボーイ?今はミッドナイト、何処かいかない?ヘイカモン!」

うるせえよ今寝るとこだよ。飯食って、風呂入って、Twitterしてるとこだよ。

最近オレの脳内の黒人ラッパーがうるせえ。いや、ラッパーだから黒人ってのは若干差別的だけど、このソウルは間違いなく黒人ラッパー。

「いいかい、ただ働いて帰って寝るだけじゃ、人間じゃないんだよ。ただの歯車だよボーイ、ちゃちでひとりぼっちの歯車さ。」

急にテンション下げんなよマイブロ。ラッパーにしては表現がありきたり。オレの脳内だから当たり前か…。今日はもう寝ることにした。