蛮族の生活

蛮族です、未来を喰らいつくします

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

怠惰

【生活】 湯船の中に夏野菜と親指が浮いている 汚い生き物を食べ続けてきたのか我々 誕生が爆破であるというなら飛散距離は割り出せない シャーマンたちが作ったポトフの中に俺の霊魂が浸してあるかもしれぬ 疫病が蔓延していることでしか生まれない詩が残念…

美しい呪い

「夏の空はピンク色をしていて好きなんです」この前の美容師の言葉が忘れられずに、夕焼けを見上げるようになった。 これから誰と肩を並べて歩いても、きっとどうしようもなく思い出す。いつも一番好きな映像・音声で再生されて、映画のフィルムのように焼き…

書くということ

小説を書くようになってから、私の頭の中にいつでも小説の事が居座るようになっている。 寝ても覚めても談笑していても働いていても歩いていても静かに息を吐いても。生活の中で彼/彼女は私の中にいて私の書いている小説の登場人物たちは好き勝手に歩き回っ…

宇宙ビッグデータ

降りしきる音と車輪の音、人間の話し声、僕の沈黙。あらゆるものが運動いて、それが永久機関のように感じるのが心地よい。地球が破裂した後でさえ、僕たちの残骸は漂うことで運動し続けていくだろう。 そこで、すべての曲が歌われなくなったとしても、発声も…

サマー不要論

微睡みをラムネサイダーで取っ払う君は映画を倍速で観る 夏風邪をガリガリ君で冷やしてる雫が垂れる、きみは要らない 激しめのジャズが攪拌するときに割りましたからもうさようなら いつもいたところにあなたは(生きてない)紅茶はすべて腐っているのよ 名…

花降る夜に会いましょう

国境は遠し 花降る街に春 腐りつつ海へと潜る鯨かな 逃げていた白鳥の王抱え込む 密やかに貴女は泣いていて寒い 王国が滅んではまた百日紅 嘘を吐き煙草を少し長く吸う 華族だと名乗る女に雪積もる 魔を祓う札を抱えて祭りかな 花の名を伝えてゆるく夏の坂 …

賞味期限切れの生活(としての六月)です

滴っている六月の冷たさが マッチ擦り恋文燃やす梅雨です 雨だしさぁコーヒー飲んで晴らそうな 傘もなく走る(書類を抱きしめる) 目的もなくカレー屋を眺めてた 泣いている貴女は遠い<青葉風> 「みんなさぁいなくなったね」百日紅 冷え切ったコーラを買っ…

道草食って虫食って

輪になった蟷螂たちが流されて最期はいっしょだ排水溝だ 絶対に溶けあわないものそれは俺の魂お前の魂、蛹 ひとりでは生息できない生体は直ちに脳を右手に植えろ 胡瓜から飛び立つときの踏切で生命たちが配膳される 鱗粉が撒かれた灰の首筋に《生まれる前は…

じゃんけんをしましょう

じゃんけんほい,僕の勝ちです。なぜならあなたが思いついた手に勝つ手を私は出すことにきまっているからです。今決めた。それがこの空間を支配するために書くという行為をした者の特権です。てやんでぃ。 冗談は顔だけにしといて池田澄子の名句「じゃんけん…

吾を統ぶ鷹

谷川俊太郎がその一時期の経済的貧困を脱せれたのは彼の作品ではなく「マザーグース」の翻訳によってであった—という話を思い出して書こうと思ったらそれを書いてある本(自選谷川俊太郎詩集ー岩波文庫の解説部分)が見当たらない。普段の自分を責め,また神…

詩:竜巻とケンタウロス

人間とは何か、すまーとほんが答えてくれる、世の中だったらいいのにな。夜の風が、ぼくの祈りを飛翔させた。でもそれはうっかり竜巻となって、結局のところ村は壊滅した。夏なのに。 それはとても大きな災害で、ぼくたちはひたすらに聖なる何かを希望してい…

僕と彼女が出会うまで(或いは僕と彼女が出会わなくなるまで)

あっちゃうね,あっちゃったのね,またまたね,ほんとはあってなかったりする? 君と会う日は晴れだったのか雨なのか雪だか世界の終わりだったか 人生で今日しか着れない服だって気がついてたの青のワンピース なんかほら天才だから思い切り坂道自転車で駆け…

夜が明けたら

<目が覚める>夜の空気を吸いたくてほおりだされた服に通す手 公園に吸い寄せられる虫達のように私も吸い込まれてく (少しだけ寒いな)誰にも会えなくて自販機にある<あたたかい>押す (最近はどうなんだろう)延々と季節が過ぎるのを待っていた 腕にあ…

散文詩:脳内ラッパー=黒人=人種差別

日記みたいな散文詩を書きました。 深夜のパンチライン 「ヘイヘイボーイ?今はミッドナイト、何処かいかない?ヘイカモン!」 うるせえよ今寝るとこだよ。飯食って、風呂入って、Twitterしてるとこだよ。 最近オレの脳内の黒人ラッパーがうるせえ。いや、ラ…

これは短歌です。

メロンパンぶん投げている春先の庭に殖え続けるかりんとう 楽しくはないかなぁ朝の校庭に人間達を埋める作業は 冷静に考えてみてやっぱやめ、さみしいからって腹下すのは 貧しくはないよだって生ハムも買えるし別に負けてもないし 六人の「貴女」がいたら六…