輪になった蟷螂たちが流されて最期はいっしょだ排水溝だ
絶対に溶けあわないものそれは俺の魂お前の魂、蛹
ひとりでは生息できない生体は直ちに脳を右手に植えろ
胡瓜から飛び立つときの踏切で生命たちが配膳される
鱗粉が撒かれた灰の首筋に《生まれる前は煙だったね》
いいだろう水槽ならばゲンゴロウ/鼓動をあげよう明日には返せ
紋白の斑点ぼくらは少しだけ だけどたぶん どこか死んでる
苦しいよ辛いよここにいられないグアム行きたい「土でも食ってろ」
俯けばミミズは笑う忠実なまでに生き生き生き生き、死ぬな
見ろ朝は羽化が輝く俺の目に命はすべて金色をする