<目が覚める>夜の空気を吸いたくてほおりだされた服に通す手
公園に吸い寄せられる虫達のように私も吸い込まれてく
(少しだけ寒いな)誰にも会えなくて自販機にある<あたたかい>押す
(最近はどうなんだろう)延々と季節が過ぎるのを待っていた
腕にある切ったばかりの傷口を夜風に晒す<誓うさよなら>
君だけが光ってたのね切れかけた蛍光灯の下/金木犀
誰一人来てほしくない本当は来てほしくなる他人がいない
ぶらんこを揺らして夜の冷たさをかき回してるかき回してる
この夜が明ければ何になるだろう、真白い息を吐いては生きて
やがて死が私を包み込むように世界に朝が訪れていく